夕刻、帰宅途中。神社の傍にある小さな林を自転車で通っていた。その時間はまだまだ日差しが強く、眩しいくらいの中で蝉がたくさん鳴いていた。
あんまりの音に、耳からイヤホンを外し少し聞き入りたくなった。真夏の彼らの声はうるさく、少しイラつく程だったけど、今日は音が沢山降ってくるようでどことなく心地よかった。夏も終りだというのに、本当に、沢山の蝉の声だった。まるで、まだ終りじゃなくて、こんなに沢山いるんだよと言っているように。
きっと、最後の声なんだなぁと思った。それほど沢山の音だった。そして、真夏のそれとは違う心地よさも、きっと最後の一鳴きだからかもしれないなぁなんて思った。
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